「とっさに使える敬語手帳」をベースに、あいさつや報連相の場面で使える敬語を紹介しました。
※『敬語~あいさつやホウレンソウの場面で~』
社会人になって久しく、立場や年齢による経験値で、敬語は使いこなしていらっしゃると思います。
しかしながら、大人世代の弱点は、周りからの指摘や注意が少なくなることです。
時に自らを律する、振り返りの機会に本記事を利用してみてください。
若い世代への生きたマニュアルである大人だからこそ、きちんとした物言いを身につけたいもの。
例文で紹介するフレーズは『正解』として強制するものではなく、ご自分の環境によって変化するもと思われます。
ビジネスシーン以外でも もちろん使えますので、
より良いコミニュケーションの参考や振返りになれば幸いです。
引き続き、敬語を文例と共に紹介します。
今回は、接客・訪問・接待の場面で用いられる言葉を取上げます。
例文の見方は次の要領です。
シチュエーション
①こんな言い回しをしてしまいがち
②相手をたてたスマートな言い回し
③ポイント
接客・訪問・接待の場面で [12例]
来客を迎える際、相手の現在地を”確認する”とき
来客対応で、来てもらったことを”感謝する”とき
取り次ぎなど相手に名前を”たずねる”とき
もてなしなどで、トイレの場所を”教える”とき
きっぱりと”断る”とき
納得が得られたか”確認したい”とき
相手が【すでに聞いている?】と思うことを告げるとき
“無理なお願い”をするとき
相手の話を”聞きたい”とき
予定時間を”過ぎてしまった”とき
“約束したはず”の連絡が来ないととき
辞去の”きっかけをつくる”とき
来客を迎える際の相手の現在地を確認するとき
①「今どこにいますか・・・」
②いま、どちらにいらっしゃいますか?
②´直ぐにお迎えに参りますので、そちらでお待ちください。
③「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」。「どこ」も「どちら」の丁寧語に。馴染みがあっても、大事に対応してもらっている気持ちになります。
来客対応で、来てもらったことを感謝するとき
①「暑いのにご苦労様でございます・・・」
②お暑い中、お呼び立てして 申し訳ございません。
②´足ものとが悪い中をお越しいただき、ありがとうございます。
③「お呼び立て」は来てもらった相手をうやまう言いかたです。天気などのクッション言葉を追加すれば、より丁寧な言いかたとなります。
取り次ぎなど相手に名前をたずねるとき
①「お名前のほうを頂戴してもよろしいですか?・・・」
②失礼ですが、お名前をお聞かせいただけますか?
②´お名前を伺ってもよろしいですか?
③「ほう」はうっかり使いがち。曖昧な表現なのでビジネスシーンでは注意したいもの。「頂戴する」は「もらう」の謙譲語。「名前を頂戴する」は日本語として適切ではありません。
もてなしなどで、トイレの場所を教えるとき
①「廊下の突き当りを左に曲がってもらって、まっすぐ進んで頂けますか?」
②廊下の突き当りを左に曲がって、まっすぐお進みください。
②´ご案内いたします。こちらへどうぞ
③道順は簡潔に伝えることが大切。丁寧に伝えようと考えると、かえって回りくどい表現になってしまいます。
きっぱりと断るとき
①
②申し訳ございませんが、~についてはいたしかねます。
③「申し訳ない」と相手をたてつつ「いたしかねます」「応じかねます」を使ってきっぱりと意思を伝えましょう。
納得が得られたか確認したいとき
①「おわかりいただけましたでしょうか?・・・」
②わたくしの説明で、ご納得いただけましたでしょうか?
②´不明な点がございましたら、遠慮なくおたずね下さい。
③「わかりましたか?」はさすがに上から目線の口調に聞こえてしまいます。慎重な言葉を選びましょう。
相手がすでに”聞いている?と思うこと”を告げるとき
①「もうおうかがいになっていらっしゃると思いますが・・・」
②すでにお聞き及びのこととは存じますが
②´ご存知のように
③「うかがう」は謙譲語なので、丁寧に述べても相手の行為に使うことは出来ません。「存じる」は「思う」の謙譲語。「ご存知」は「知っている」の尊敬語。
謙譲語。今は、謙譲語Ⅰ、謙譲語Ⅱなるものがあって、私の中でごちゃごちゃに。第4回目の「敬語のキホン」で触れたいと考えています。
無理なお願いをするとき
①「無理は承知ですが、何とかなりませんか?・・・」
②ご配慮願えませんでしょうか
②´本日はご無理を承知でお願いにあがりました。
③「ご配慮」とは、敬意を払うべき相手からの心遣いのこと。謙虚な態度でお願いの意を伝えます。
相手の話を聞きたいとき
①「お話を聞かせてもらっていいですか?・・・」
②お話をうかがわせていただけますでしょうか。
②´ご意見をお聞かせいただけますでしょうか。
③「いいですか」という聞き方は年齢問わずちょっとぞんざいですね。「聞く」の謙譲語である「うかがう」をもちいて疑問形で頼みます。
予定時間を過ぎてしまったとき
①「お時間のほうは、まだ大丈夫ですか?・・・」
②お話を続けてもよろしいでしょうか?
②´お約束の時間を過ぎているようですが。
③「ほう」は、曖昧な表現なのでビジネスシーンでは不適切です。「大丈夫」は問題が起きた時 気遣う言葉なので、「よろしいでしょうか」が適切です。
約束したはずの連絡が来ないととき
①「いつまで経っても連絡が来ないのは、どういうことでしょうか?・・・」
②いかがされましたでしょうか。
②´ご連絡をいただきたいと、お願いしていたつもりだったのですが。
③相手を刺激するような言いかたは禁物ですね。「いかがされましたでしょうか」と相手を気遣うソフトな言い回しを心掛けたいですね。
辞去のきっかけをつくるとき
①「ぼちぼち失礼しましょうか?・・・」
②本日はお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
②´では、そろそろ失礼いたします。
③「辞去のきっかけは訪問した側がくるのが一般的なマナーです。時間を作ってくださったお礼を述べタイミングを切り出しましょう。
「とっさに使える敬語手帳」の紹介
書名:とっさに使える 敬語手帳
監修者:山田敏世(やまだ・としよ)
出版社:新星出版社
目次:
本書の見方と使い方
プロローグ 敬語のキホン
1 シーン別会話文例集 あいさつとホウレンソウ [78例]
2 シーン別会話文例集 接客、訪問、接待 [137例]
3 シーン別会話文例集 電話対応 [70例]
4 シーン別会話文例集 コミニュケーション [39例]
(175頁)
本書は、社会人経験の少ない方を対象としていて、優しい言葉でわかりやすいです。「現代つかえる言葉」としても、大人世代は身につけておきたいもの。一問一答形式で書かれた本書はまさに「とっさに使える」一冊です。
今後の予定
今回は、「とっさに使える敬語手帳」2 シーン別会話文例集 接客、訪問、接待の中から紹介しました。
次回は、4 シーン別会話文例集 コミニュケーション から、特に大人世代が使うフレーズを紹介します。
計4回を予定し、最後は、敬語のキホンから二重敬語やクッション言葉などを紹介していきます。
先回:『敬語~あいさつやホウレンソウの場面で~』(2022年7月20日)
※非言語のコミニュケーションについても記事を書いています。⇒こちら
業種、業界によっては、敬語は時に仰々しく距離を感じることも。知っていてTPOで配慮するのと、知らないでぞんざいに応答するのとでは『自信』が違います。いくらTPOでも、この場は失礼に当たるかな、丁寧に伝えるべきと考えて、さっと切り替えて敬語が使えると、カッコイイです。憧れてもらえるような大人になれたら素敵ですね。
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