カレンダーも師走が迫る11月後半。忘年会・クリスマス・歓送迎会・年末年始など、集まりが多くなりますね。
ちょっとした雑学が会話を弾ませてくれることもあります。
今回のテーマは、《意外なものにちゃんとした名前がある》です。
それ良く見る。モノは知っている。気に留めたこともなかったけれど・・・でもそれに名前なんてあるの?
あるんです。
それではさっそくいってみましょう。
各ブロックの見方
《 》:名前があるモノ
【 】:これが本名です
由来:経緯や背景、理由、トリビアなど
《スーツの襟にある穴》の名前は、【フラワーホール】
由来:社員証、議員バッチ、弁護士バッチなどをとめている穴をいいます。最初、ジャケットは詰襟のように首までボタンをかけて着用していました。軍用にも使われていましたが、一番上のボタンをはずした開襟(かいきん)スタイルが出現して、見た目も涼しく新しいファッションは、やがて主流となりました。ボタンは無くなり、穴だけが名残として残りました。
さて、この残った穴にコサージュなどの花を指すのが流行しました。穴があるのだからというきっかけのようです。このあたりから、単なるボタン穴に「フラワーホール」という別名が命名されたのです。
とくに有名なのが、イギリスのエドワード7世(1841-1910)です。先に亡くなったエリザベス2世女王の曾祖父にあたります。ファッションリーダーとよばれるお洒落さんでありながら、やんちゃな方だったようです。
さらにトリビアで、このエドワード7世のお気に入りのイギリスのお店(高級店はテーラードと言います)のお客の中にはこれまた戦後GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめダンディでも有名な白州次郎(1902-1985)がいたのだそうです。
《耳の前側にある出っ張っている部分》の名前は、【耳珠(じじゅ)】
由来:耳の穴の入り口にあるでっぱりの部分を耳珠といいます。ヒトの耳の形を貝に見立てて、貝の中に出来る丸い玉を意味する「珠」に見立てていることに由来しています。
耳珠の外側のくぼみには、「飢点(きてん)」といって食欲抑制に大きな力を発揮するツボがあります。耳には沢山のツボがありますが、耳の上の方にある軟骨のくぼみのあたりにあるツボは、自律神経と繋がっていて、ストレスの緩和に効果があると言われています。
この耳珠。何の機能も無いと思いきや立派な役割が備わっていました。
耳の穴は、片方が閉じ、片方が開いている状態。この耳珠は、耳穴内の共振作用する長さに寄与し、集音機能にも影響している。つまり、音を集め、音を音として認識するために耳珠は大きな役割を担っているというのです。
参考文献:耳 珠 の は た ら き 本 田 学 – J-Stage
もう一つ身体の部分から
《爪の付け根にある白い部分》の名前は、【爪半月(そうはんげつ)】
由来:爪の根元にある白い部分は爪半月といいます。出来立ての爪が、まだ角質化していないため、白っぽくみえるのです。
出現には個人差があって全くない人もいるようです。爪半月の出現には手を使う作業が関係しているようです。例えば、素手で食器を洗う、農作業や園芸やガーデニングをしている等です。
[参考図書:東 禹彦『爪は病気の警報機』祥伝社]
健康状態を知ることが出来るともいわれますが俗説で、「爪半月と健康状態には関係がない」というのが現在の医学での認識のようです。
ちなみに爪に気になる症状が出てきたら、爪は皮膚の一部なので、皮膚科に行くのが正解だそうです。
《カフェ・バーなどの天井でぐるぐるしている羽》の名前は、【シーリングファン】
由来:おしゃれなスポットには欠かせないインテリアとしてのクルクル。シーリング(Ceiling)は天井を意味し、天井扇(てんじょうせん)と呼ばれることもあります。
1886年アメリカテネシー州メンフィスで発明されました。現代では電気ですが、発明された当初は水流が動力源でした。『室内で自動的に送風・撹拌をおこない、爽やかな空間を作る装置はできないだろうか?』『人々を快適にしたい』という強い想いをもった親子の努力によって生まれました。
参考サイト:ハンターシーリングファン公式サイトの記事https://real-mart.com/?p=1991
シーリング・ファンは部屋の空気を攪拌してくれるので、室内の空気を一定にしてくれます。エアコンとの併用で冷暖房費が節約でき結露も防ぎます。同じ役目でサーキュレーターが登場しましたね。
《傘をまとめるヒモ》の名前は、【ネームバンド】
由来:他にもネームベルト、ネーム布とも呼ばれています。
名前のいきさつは、日本の洋傘の歴史と関わりがあります。洋傘が日本に上陸したのは幕末。文明開化のシンボルいわれるほどの人気でしたが、金属フレームなどで作られた非常に高価なものでした。
傘をまとめる「布」は最初からついていましたが、高価な傘を無くさないようにと握り手ではなく、まとめる布に目をつけ 自分の名前を書く日本の習慣が誕生しました。
この習慣が根付いたことで「紐」に【ネームバンド】という固有名詞がつけられたのです。
その後明治14年には国産メーカーにより洋傘は日本中に普及していきました。
《視力検査のC》の名前は、【ランドルト環】
由来:視力検査や保健室で見かける検査表に記された「C」のような記号。これは【ランドルト環】と呼ばれてC(シー)とは言いません。
フランスの眼科医エドマンド・ランドルトが考案し、1909年に国際的な標準指標として採用されました。
このため、ISOやJIS規格があり、太さ(線幅)や切れ目は厳格な寸法で定められています。
視力は、自分の位置と、ランドルト環の切れ目を確認できる角度で分かります。検査表には、上下、左右、斜めに切れ目が入ったランドルト環が配置されています。特に斜めを識別するのは難しく、検査の精度を高めるために様々な角度が用意されいます。
参考論文:ランドルト環の向きと視力https://megane-joa.or.jp/dc/%E9%A3%AF%E5%AF%8C%E8%AB%96%E6%96%87_513715_0.pdf?
日本ではランドルト環が主流ですが、欧米ではアルファベット。Eのような文字はアメリカや中国で使われているようです。その他に漢字、記号、魚の絵なんていうのもあります。
《食パンなど口を閉じている風についているプラスチック片》の名前は、【クロージャー】
由来:あの切込みの入ったプラスチック片は、アメリカ生まれで『バック・クロージャー』といいます。
1952年業者の「リンゴを詰めた口を閉じるために便利なものはないか」という相談がきっかけで発明されました。
発明者のフロイト・バクストンかひらめいたのは電車での移動中。たまたまもっていたプラスチックの破片にナイフで切り込みを入れて原型を作ったのがはじまりでした。
なんとこの【クロージャー】、特許はクイック・ロック社が独占しているので、日本国内に流通しているクロージャーは全て埼玉県川口市のクイック・ロック・ジャパン社でつくられているものです。年間30億個(2010年時)ほぼ全てのパンメーカーが契約をしています。
最後は、漢字です。
《絹糸(けんし)》は、【とうもろこしのヒゲ】
由来:文字通りの絹の糸も同じ字を使いますが、【とうもろこしのヒゲ】も絹糸というのです。とうもろこしの先端からもじゃもじゃ生えているこのヒゲの正体は『めしべ』。触ると少しベタベタするのでその特徴が判ると思います。
茎のてっぺんにある雄花の落とす花粉がこの絹糸につくと受粉します。絹糸の本数はとうもろこしの粒と同じ数になります。品種にもよりますが、1本の実はだいたい600粒ほど。
絹糸は収穫時期の目安になると言われます。とうもろこしの先端から絹糸が出て3週間ほどたち、色が焦げてきた頃がその時期です。
ちなみにとうもろこしの実同様、絹糸も食べられます。おひたし、サラダ、お茶など。お使いになる時は、緑の柔らかい部分が良いです。食物繊維、カリウム、ポリフェノールなどの栄養が含まれているとのことです。
《とうもろこしのひげ 食べ方》で検索するとわんさかでてきます。
いかがでしたでしょうか。今回は参考文献からピックアップしてwebの情報で肉付けしました。<意外なものの名前>で検索すると、クイズ形式になっていたりと沢山見つけることが出来ます。
参考文献
アレの名前大百科 監修 みうらじゅん
※独自調査した文言には参考資料を各ブロックに記載しています。その他は上記参考文献を基に作成いたしました。
さいごに、タイトル背景に使用した写真は【酒林(さかばやし)】といっても酒屋が愛飲家たちに新酒が出来たことを知らせる酒造りのシンボルです。摘み立ての葉の色で最初は青。やがて枯れて茶色に代わります。
日本酒の神様を祭る奈良県三輪明神大神神社の御神木が杉だったことから、杉で作られていて「杉玉」とも呼ばれます。
呼び名の「さかばやし」の由来は、中国酒屋の看板を「酒家望子(さかやぼうし)」というのを「ぼうし」が「はやし」になまったという説が有力とのことです。
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