エール!! ~展示会で出会えた声35~

2023年7月第4週 愛知県で開催された『FABEX中部2023・東海スーパーマーケットビジネスフェア』に行ってきました。300社450ブースによる「中食・外食業界」「和洋菓子・ベーカリー業界」「小売業界」専門の展示会で、食文化向上と新提案、効率的なマーケティングが期待できるなどビジネスチャンスの祭典として開催されました。総菜・弁当グランプリの発表スペースや、新製品注目のコーナーがあり、食のトレンドを知ることが出来ました。食品展示会ならではの試食も用意され、美味しそうな香りがあちこちからする会場でした。食品業界の新商品における開発スピードは季節を意識して速いのが特徴です。開発日程や必ず成功させるマーケティングのスピード感は他の業界にはない熱気があります。切り替えの早さや、独特の考えなどがあり、様々な切り口で聴くことが出来ましたので紹介します。共感される言葉も見つけられるのではないでしょうか。

ビジネスパーソンのメンタルヘルスを、ホットラインでサポートしている「アライエール」のmasudaです。
産業展示会に出向いて、出展社の方から業界のトレンドや情報などを教えて頂いています。
お話を通して漏れ出た苦労や夢、想いなどもお聴きするので、応援や労いの言葉をお返しする活動をしています。頂いたコメントなどを「エール!!」という表題で紹介しています。

目次

お話を伺った方の声

C社 I様
アメリカ発祥の会員制倉庫型店の会社です。今回は法人様向けのサービスを紹介しています。個人向会員様には年会費を負担いただいていますが、会員特典を会社の福利厚生に追加して頂こうというアイディアです。それなりのブランドとして認知いただいて付加価値も高くなっていると自負しています。法人特典ならではの料金設定に企画発表当初の予定より好評なので驚いています。魅力的な企業のイメージアップに一役買えるサービスになるのでは提案しています。

T社 N様
日本で初めてトンネル型のフリーザーを開発販売しました。大中企業様には認知いただいていますよ。大量に冷却する工場ライン向けが主力製品ですが、今回は小型化した製品をお持ちして紹介しています。大型の機械でもオーダーメードで対応できるのですが、あえて小型に特価した製品をお持ちすることで製品自由度と追加した最新機能を知って戴きたくて。攻めにきました。私は営業の仕事2年目。このような展示会でやっとスムーズにお話しできるようになってきました。食品業界での急速冷凍は必須アイテムになってきました。今回の製品は小企業様にも取り扱いが容易であり、冷却の悩みを解決できることをアピールしています。勉強してきたことを発信できる場でもあるので、頑張っています。

S社 F様
デモンストレーションでプリンを試食頂いています。画期的なスチームオーブンの技術により、滑らかな食感を実現できる性能をほこっています。このプリンの容器は紙なんです。ですが、蒸気による容器へのダメージは全くありません。この繊細な蒸気が滑らかな食感を生むポイントなんです。この機械を使っていただくことで、メニュー開発や食感の追求にアイディアが広がると思います。味の決め手は、レシピや手順の秘密ではなく、工程機器も大きく左右します。その可能性をご提案できていると思っています。性能が良い。の先にある発想のお手伝いとでもいいましょうか。思惑が当たって、嬉しい反応を頂くとやりがいと次へのモチベーションにつながりますね。

T社 Y様
廃油のリサイクルを科学の力で貢献している会社です。何かを作ったり、使ったりすれば必ずゴミや廃棄物は出ます。作る先の廃棄について真摯に取り組み、100%リサイクルすることで循環の一端をになっっています。今回お持ちして配っているのが、リサイクルの一つで作っているハンドソープなんですよ。捨てるという仕組みを循環という役割に変える重要な活動だと思っていますが、実はまだまだ認知されていません。あまりに汚れがひどいと廃棄以外の選択肢がないと考えられてしまうようです。化学も技術も進歩しています。信頼して委ねてほしいと思いますね。流行りとして乗っかるのではなく、次に伝えるということを真剣に一緒に考えていけたらって思うんですよ。

N社 A様
海外の調味料など販売している会社で、大型通販サイトで紹介しています。個人消費者向けが主な販路ですが、個人のお客様の好奇心に注目しています。意外な商品に興味を持たれることがあって、それが次の商品検索のアイディアになったりするんですよ。世界には日本と異なる食文化があって、業界の方も情報収集もされていると思うので、注目された珍しい商品もお持ちしています。物珍しさを体験してほしい別の思惑として、新しい味の開発アイディアになればという思いがあってご紹介しています。

前原製粉株式会社 S様
日本の伝統食品としての和粉・包装もち・鏡もちを企画 製造販売している会社です。今回紹介しているのが、小ぶりの丸餅パックです。お正月や記念行事に食べるイメージのお餅を、普段のメニューに気軽に活用できるようにミニサイズにしています。生地として使っていただくなど、たこ焼きやピザなどをお餅で作る楽しさが広がります。保存にも注力を注いでいます。大手有名なメーカーと我が社しか採用していない保存袋は2年の賞味期限を可能としました。餅はカビとの闘いなんです。そこに挑み消費者の方に安全に安心して食べていただけるものを提供するのが我々の責務だと思っています。また、味にもこだわりがあるんですよ。産地の味を味わっていただくため、もち米はブレンドせず、その土地の香りを楽しんでいただいています。お米と同じように産地によってお持ちの味も全く異なるので、興味を持っていただけたらと思います。情報も発信しているので、さらにお餅に興味を持っていただけたらと。消費のあり方を変えていけるように自分自身が楽しい気持ちでお話しさせていただいています。

N社 S様
おせんべいを作っています。空洞がある あられやおかきなどを主に作っています。OEMとして8割は我が社で作っているものなので、どこかで口にされたかもしれません。食品業界も機械化が進んできましたが、「生き物」であるおせんべいに正面から向き合って手作りの部分はこだわりがあります。その日その時によって繊細な配合や調整は欠かせません。愚直といいますか、その愚直こそが正直に味や食感に現れてくると思っています。マニュアル化が出来ない手作りならでは世界で生きていると思っています。たかが、ですが、されどなんですよね。時代が変わっても、「この味」にはこだわり続けたいと思いますね。

N協会 U様
食品衛生管理の制度HACCP(ハサップ)が2021年から義務化されました。規模に関わらず、すべての食品等事業者が対象です。私ども協会はその認定機関であり、教育も担っています。概要は、計画書を作り、周知徹底して、記録・保存して振り返りながら、内容を見直していくことを継続する制度です。従来の品質管理は「抜き取り調査」が主な対象で、それから漏れたものについては管理が行き届いていない可能性が指摘されていました。全ての工程で同じ品質を保てるようにすることが求められ、今では国際法として多くの国が取り入れいることが背景です。日本の安全、清潔に関する意識は既に高い基準にあるので意識づけに苦労はないと思いますね。ただ制度を満たす「業務」が増えるので効率的に進める工夫が必要になりますね。

masuda

名刺交換が叶わない企業様、担当者様もいらっしゃいました。
一部、企業様イニシャルにて、コメントを載せたいと思います。

F社様
世界の調理器具を販売している会社です。今回はイタリアのオーブンを紹介しています。ヨーロッパで開発される調理器具は完全に人の働き方を考慮した性能を有しているのが特徴ですね。ヨーロッパは残業の概念がなくて、サービス残業なんてありえないし、残業をして営業している会社は法律でオーナーが処分されるんです。だから、調理器具も大量に同じものが出来るように徹底して人の代わりになるように設計されているんです。個人的にはその考えに賛同しています。効率という考えが浸透していてるんですね。それは早くするためとか無駄を省くという意味ではなく、「人」が快適に働けるためにという発想から来ているんです。日本にも同じようなオーブンは器用なので作れますが、専用につくられたヨーロッパ製の方がレベルが高いと感じていますよ。

L社様
大型調理器具メーカーの一角に紹介スペースを設けさせてもらっています。紹介しているのは洗剤。大手洗剤メーカーとして、機械を洗う洗剤を開発している部署に所属しています。きれいにする、汚れを取るは当たり前ですが、万が一人の口に入るかもしれないを想定して人に害のない洗剤を開発しています。もちろんそんなことが起こるはずは作業工程上ありえないのですが、万が一を外して楽観的に考えてはいけないと肝に銘じています。日本の「綺麗」に関する閾値は高くて、つまり個々お客様の要求レベルに応える方が一般の規定をクリアするより厳しいんですよ(笑)

菓子のパネルコーナー 『世界のトレンド』より抜粋
1. 発売数ではヨーロッパがけん引。2. 最も売れている商品はチョコレート類。3. より自然なものが好まれる傾向にあることから、プラントベース(植物由来)を原料とする商品開発に注目が集まると予想。4. 消費者の購入時の決め手は「味」「香り」5. 健康志向に伴い、腸内環境を整える商品が増加傾向にある。

日本食糧新聞社パネルコーナー 『新製品のトレンド』より抜粋
1. ロングセラー商品の横展開[他企業商品との味のコラボ] 2. ロングセラー商品のあえての味変[例:きゅうりのキューちゃん焼き肉味] 3. 電子レンジにポイするだけで食べられる商品 4. 甘さマシマシ 5. 進化続けるカップ麺 6. バターバターバター バター味に注目

S社様
新しい「ホワイトソース」を提案しています。今回紹介するのは、カシューナッツで出来ているソースです。ホワイトソースは小麦粉。のイメージに驚きと味の広がりを感じて頂こうと開発しました。小麦粉よりも軽い味に仕上がっているのが特徴です。奇を狙ったともいえますが、本来のホワイトソースの味は逸脱しないように工夫しました。出来上がったときにイメージしていたホワイトソースの味から外れてしまったら、それはもう別の料理です。調味料が変わるといつもの味が出せないとなるとかえって受け入れられないのと同じ。提案する攻めの気持ちと、いつもの味に良い方向での隠し味が加わったという印象を持たれるのが売れる商品になるかと思っているんですよ。

A社様
「食品ロス」に取り組めるイベントを提案しています。食品ロスへの取り組みが始まって徐々に減りつつあると言われていますが、日本が1年で捨てている食べ物は522万トンあるんです(2020年)。これは全国民が毎日おにぎり1個分を捨てているのと同じ量になります。金額では、4人家族で1年間56,000円になる結果なんです。[A社資料参照]。購入時には適量を意識したり、賞味期限内に消費するなどの個人の工夫と共に、スーパーマーケットで取り組むときの楽しいイベントを紹介しています。企画する会社にいると、生々しい数字を目にする機会が多いので、余計に何とかしなければという気持ちになりますね。その「気持ち」が届くと良いなと思ってお話しさせていただいています。定型文のような用意されたセリフではなく、自分の言葉で伝えるを心がけています。

M社様
本社は東京ですが、生産部がある山口県からやってきました。展示して紹介しているのは、「木箱」です。木箱に入っているだけで扱い方が異なったりしませんか?大事なものを入れる箱として木箱の役割はその重厚さや印象が物語ってくれます。保管以外にも、贈答品や行事にも重宝します。木が持つぬくもりや、年輪をまとう重みのイメージは話さなくても伝わる説得力がありますよね。その気持ちを形にしています。紙やプラスチックが主流になりつつある中だからこそ「木箱」をお勧めする意味があると思っています。

F社様
スチームコンベクションンオーブン。通称スチコンと呼ばれますが、オーブンにスチーム発生装置がついた調理器具です。1台で複数の調理方法が可能なので、学校やホテルなど大量の加熱調理に適しています。名称にあるように蒸気が発生するので、必ず換気設備が必要になります。我が社の処理機能機器を使えば、レイアウト変更や別工事はいりません。レンジフードをはじめ、空気・換気を変えることで社会に貢献してきたノウハウが今回の製品にも集約されています。得意分野をとことん突き詰める。得意分野でオンリーワンを目指す会社なんですよ(笑)

北海道様
食の豊かな北海道から健康にプラスになる食品の紹介にまいりました。北海道では道内で認定する独自の制度を設けていて、「安全・安心・おいしい」というブランドに「健康」をプラスした機能性素材を提供していこうという取り組みのもと、新しい基準「ヘルシーDo」を平成25年に全国初で誕生させています。マイタケや春採コンブ、クマザサや植物性乳酸菌など資料には30種類を掲載しています。北海道の食材に寄せる期待を受け、さらに健康を意識した食品へと取り組んでいるんですよ。一つの企業が取り組めることもありますが、一つのトレンドを産みだすのではなく、地域ブランド力としての魅力を後押しする。県や国、自治体がもっと盛り上げる必要がありますよね。

S酒造様
高知県の酒造です。芋焼酎を作っています。珍しいでしょ?主原料となっている芋は「翠王」と呼ばれる新品種で希少なさつまいもです。今までサツマイモの葉と茎は捨てていたんですが、改良により葉と茎が美味しい品種が生まれたのが翠王なんです。葉と茎に注目されていますが非常に栄養価が高い芋なので、高知の美味しい水とともに焼酎にしてみようと開発されることになったんです。焼酎は南九州が有名ですが、高知県も頑張っていますよ。

食品の美味しさを多角的に紹介する展示が数多くありました。単に味覚を満足させるものではなく、身体によい、健康になるなど複数の効果を狙った商品が開発されていて、複数の企業や技術交換など掛け算の成果が目立ちました。 食品の世界にも多様性は確実に成長を支えるキーワードだと感じました。食料品の世界や食にまつわる化学の分野で日本は世界をけん引できる期待を持ちました。特に「衛生」「清潔」に関する意識はそれ自体が一つの国産になりえないだろうかと思えるほどです。製造業でも日本の「品質を徹底させる意識」に世界の注目が集まっています。物品ではない無形の産業があるなら「日本の意識」は大きな輸出品として誇れるって、個人的に感じています。

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