相手を敬い、時にへりくだることで、人間関係を良くして自己を表現できる相互尊重の敬語は、
平等な社会と言われる現代においても、円滑なコミニュケーションをとるために健在です。
言葉遣いは、その人となりを知ることが出来る 表現方法でもあります。
さりげない一言や、とっさの気遣いの一言をこなせる大人はちょっと素敵ですよね。
さて、社会に出てきた若者が、社会や会社、組織で使う言葉を覚える時どうするか。
先輩、上司、年配の人の普段の態度や言い回しから学ぶのです。
研修や、営業トーク集などがあっても、生きたマニュアルとしての周囲の言葉遣いを、さりげなく観察しています。
社内の風紀や風土は、ちょっとした言葉遣いで随分変わるものですよね。経験値もあって、立場もある大人ですから、出来ているものと思っても、あえての振返りは大事。
ということで、今回は「敬語」を取上げます。
この記事を作成するにあたり、心強い本が見つかりました。
書籍名『とっさに使える 敬語手帳』
本の紹介はこちらです!
こんな場面ではという例文形式で紹介している「とっさに使える敬語手帳」をベースに作成し、自然な言葉遣いとしての敬語を紹介していきます。
シチュエーション
①こんな言い回しをしてしまいがち
②相手をたてたスマートな言い回し
③ポイント
例文で紹介するフレーズは『正解』として強制するものではなく、ご自分の環境によって変化するもと思われます。
ビジネスシーン以外でももちろん使えますので、
より良いコミニュケーションの参考や振返りになれば幸いです。
今回は、あいさつやホウレンソウの場面で用いられる言葉を取上げます。
あいさつ や ホウレンソウの場面で [10例]
出勤時のあいさつ
外出するとき
社外の方へ あいさつと共にお礼を述べるとき
上司、お客様から仕事の依頼を受けたとき
商談中、質問に答えられなかったとき
仕事が順調に進んでいることを報告するとき
質問をする時
約束の時間に遅れそうなとき
反対の意見を述べるとき
説明を締めくくるとき
出勤時のあいさつ
①「おはよう・・・」
②おはようございます
③朝の挨拶はコミニュケーションの基本。年齢・立場 問わず丁寧な言葉で交わしたいものですね。
外出する時
①「行ってきます・・・」
②~へ行って参ります。〇までには戻ります。
③掲示板があっても、黙って出るより一言あるのが基本。送り出す側の「いってらっしゃいませ」も言いやすいですよね。
社外の方へ あいさつと共にお礼を述べるとき
①「このあいだはどうも・・・・」
②その節は色々とお世話になり、ありがとうございました。
②´先日はお忙しい中、お時間を頂きまして、ありがとうございました。
③感謝の言葉は相手に感謝が伝わるようにはっきり伝えましょう。馴染みであっても、丁寧な言葉で伝えましょう。後輩、部下はみています。
上司、お客様から仕事の依頼を受けたとき
①「了解しました・・・」
②はい。承知いたしました。
②´承りました。
③「了解」は権限を持つものが許可を会えいる意味合いがあります。部下にはOKですが、上司、お客様には失礼にあたります。
商談中、質問に答えられなかったとき
①「ちょっとよくわかりません・・・」
②わたくしの勉強不足で申し訳ございません。
②´直ぐに調べてご報告いたします。
③人間だれでもミスや判らないことはあります。とっさにどんな言葉が出てくるかでむしろ印象はプラスになることも。
仕事が順調に進んでいることを報告するとき
①「いちおう確認したので、大丈夫だと思います・・」
②予定通り順調に進んでおりますので、ご安心ください。
②´~の件について、途中経過(進捗)をご報告いたします。
③「いちおう」は曖昧な表現。ビジネスシーンで行為を曖昧言葉は厳禁。「大丈夫」は何か問題が起きそうなときに、それを打ち消すために使われる言葉です。
質問をする時
①「ご質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
②~の件で、少々おたずねしてもよろしいでしょうか。
②´一つお聞きしてもよろしいでしょうか。
③「させていただく」は誤用ではありませんが、多用しすぎると、よそよそしく回りくどい表現となります。
約束の時間に遅れそうなとき
①「タクシーで向かいますが、少し遅れそうです」
②これからタクシーでまいりますが、〇分ほど到着が遅れそうです。
②´ただいま、〇〇におりますので、駅に着いたら連絡を致します。
③交通機関での移動など、やむ負えない理由で約束の時間に間に合わないとき焦ってしまいますが、相手は冷静です。冷静な対応で臨むこと、おおよそでも、時間を伝えておくと、相手の心的負担を減らせますね。
反対の意見を述べるとき
①「お言葉を返すようですが、わたくしは反対です」
②〇〇さんのご意見はごもっともですが、~という見方もできないでしょうか。
②´わたくしは、~と考えておりますが、いかがでしょうか。
③否定的な意見や異なったとなった見解を述べる時は難しいです。前の発言に対しては配慮し、こちらの意見も丁寧に伝えれば、聴いてもらえる雰囲気をつくることができますね。
説明を締めくくるとき
①「質問とかあれば、聞いてください・・」
②ご質問などがおありでしたら、お答えいたします。
②´わたくしからの説明は以上です。
③《とか》や《みたいな》などの「ぼかし言葉」は、ビジネスシーンでは相応しくありませんね。断定を避けた曖昧な表現は控えましょう。
「とっさに使える敬語手帳」の紹介
書名:とっさに使える 敬語手帳
監修者:山田敏世(やまだ・としよ)
出版社:新星出版社
目次:
本書の見方と使い方
プロローグ 敬語のキホン
1 シーン別会話文例集 あいさつとホウレンソウ [78例]
2 シーン別会話文例集 接客、訪問、接待 [137例]
3 シーン別会話文例集 電話対応 [70例]
4 シーン別会話文例集 コミニュケーション [39例]
(175頁)
本書は、社会人経験の少ない方を対象としていて、優しい言葉でわかりやすいです。「現代つかえる言葉」としても、大人世代は身につけておきたいもの。一問一答形式で書かれた本書はまさに「とっさに使える」一冊です。
今後の予定
今回は、「とっさに使える敬語手帳」1 シーン別会話文例集 あいさつとホウレンソウ の中から紹介しました。
次回は、2 シーン別会話文例集 接客、訪問、接待 。次々回は、4 シーン別会話文例集 コミニュケーション から、特に大人世代が使うフレーズを紹介します。
計4回を予定し、最後は、敬語のキホンから二重敬語やクッション言葉などを紹介していきます。
※非言語のコミニュケーションについても記事を書いています。⇒こちら
本書の「はじめに」にで印象に残った言葉があります。『敬語を覚えることは文法を理解することではありません。大切なのは相手を思う気持ちを養うことです。』
敬語はマナー・礼儀、社会人として当たり前のスマートさと解釈していたフシがありました。そもそもなぜ必要なのか、《相互尊重》という根底にある「気持ち」の部分が少々足りなかったと反省。
形にこだわり過ぎるとかえって変な言葉遣いになって浮きますが、颯爽と言葉に出来る方に会うとさすがです。と心の中でつぶやく自分がいます。憧れますね。そうなれるよう日々研鑽です。
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