超早期に取り組むこと ~認知症~

人生50年を超すと、健やかな余生を送りたいと、健康に関する情報がやたらと目に入ります。

中でも気になるのは、「認知症」「アルツハイマー病」。

治療につながる新薬が開発されたと喜んだのもつかの間、日本では承認が見送られました。(参考:2021/12/22付けテレ朝news)

どうして?と思っていたら、2022年3月28日付けの中日新聞に、その謎と治療につながる今後についての記事が掲載されました。

記事名 「超早期」からの治療が鍵 ~認知症に挑む 下 ~

紙面記事で読む機会のある方は記事本文を読まれることをお勧めします。

ここでは、見送られた理由と、治療には「超早期」の意識を持つこと、早期治療の研究について内容を絞って紹介します。

紙面記事からの引用箇所は一字一句間違いなく記載しています。

見送られた理由
アルツハイマー病について判っていること
何を調べる必要があるのか
「認知症予防薬の開発をめざすインターネット登録研究」
今後
私も、登録して参加しました。

見送られた理由

背景のひとつに、認知症が現れた段階では、すでに脳の細胞はかなり死んでしまっているということがあります。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

脳の細胞死には前段階があります。アルツハイマー病は、最初に脳細胞の周りにたんぱく質のごみ「アミロイドβ(ベータ)」がたまります。次に細胞内のの「タウ」というタンパク質に異常が起こり、細胞が死ぬと考えられています。アミロイドβの蓄積は症状が出る二十年も前から始まっているとする研究もあります。七十代で診断された場合、五十代から静かに異常が始まっていることになります。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

アルツハイマー病について判っていること

アルツハイマー病患者の脳では、通常よりかなり速く細胞が死んでいますが、しばらくは日常生活に困るような認知症にはなりません。東京大の岩坪威教教授は「脳にはかなり予備能力があり、記憶に関わる部分では主な神経細胞が六割ぐらいなくなって初めて症状が出る」と説明します。診断されたばかりなら症状は「軽症」ですが、細胞数は既に半分以下です。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

何を調べる必要があるのか

発症前のことは、よく分かっていません。日常に不自由がない人は病院に行かないからです。岩坪さんは「認知症を予防できるとすれば、いつからどうアミロイドβがたまって、どのくらいで症状がてるかを詳しく調べる必要がある」と強調します。こうした「超早期」の研究から、いつ薬を使えば効果的かが分かるかもしれません。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

「認知症予防薬の開発をめざすインターネット登録研究」

岩坪さんらは二〇一九年、この謎に挑む研究を始めました。その名は「認知症予防薬の開発をめざすインターネット登録研究」。東大が中心となり、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)など全国の七機関が連携します。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

研究には誰でも自宅からいつでもパソコンで参加できます。対象は五十~八十五歳で認知症と診断されていない人。パソコンで登録後、三カ月に一回、ネットを使って二十分ほどの記憶力に関するテストを受けてもらいます。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

結果は点数で表示されます。既に八千九百人が登録しており、目標は二万人の参加です。岩坪さんは「テストを続ければ、認知能力の変化をチェックできる」と話します。参加者の一部、記憶力の衰えを感じるものの生活に問題が無い水準の人を中心に、より詳細な二段階目の研究に招待します。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

検査に進んだ参加者をPETで撮影したところ、四分の一程度でアミロイドβの上昇が確認されています。アルツハイマー病の「超早期」段階かもしれない人たちです。希望や健康状態に応じて、治療薬を超早期に使用する治験への参加情報を提供したり、経過観察を続けることを提案したりします。
岩坪さんは「アミロイドβがあると分かった参加者は、責任を持ってフォローすることが重要」と話します

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

PET検査:陽電子放出断層撮影法 がんの撮影する技術として知られているが、薬剤を変えると脳内のアミロイドβの分布を撮影できる。

今後

製薬大手エーザイなどが開発したアミロイドβを取り除く治療薬「アデュカヌマブ」は日本での承認が見送られましたが、同社はあきらめていません。より効率よく機能する可能性がある新薬の治験を続け、今年中に結果が判明する見通しです。海外勢も同様の薬の開発を競っています。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

将来は、健康診断の血液検査でリスクを早期に発見し、早い段階から薬を使用して認知症発症を遅らせられるかもしれません。
研究紹介や参加登録のホームページは「J-TRC」で検索すると出てきます。

中日新聞 2022年3月28日 認知症に挑む

私も、登録して参加しました。

「J-TRC」と検索して『新規登録』に進んで、既存のアカウントを使用。

アカウント宛にメールが来て、「ユーザー名」がもらえます。

「J-TRC」に戻って登録ボタンから、登録をします。

J-TRC(ジェイ・トラック)へようこそ!
手順に沿って初回登録の手続きを完了してください。

プロフィールの入力(3分)
研究説明文書の確認と同意(3分)
生活状況についての質問(3分)
記憶テスト(20分)
途中で中断した場合、最初から入力し直しになることがあります。

プロフィールの入力から、生活状況についての質問まで問題なく完了してから、早速テストを受けるか促されます。

折角だからと、4問20分のテストを受けました。

トランプを使った反射、記憶、判断に関するもので、難しいわけではないけれど、集中を要し、初回ということで緊張もしました。
今後、三カ月ごとに登録アカウントにテストを受けるメールが送られてくるはずです。

強制ではありませんし、謝礼も出ません。任意で協力なので、退会することも可能です。
テストの結果が累積データとして見ることが出来るので、自分の状態を知ることが出来ます。結果に不安があれば、相談できる機関であるというのも心強いです。
自分が認知症かどうかを検査するのは「怖い気持ち」もあります。でもこれも「縁」だと思って、継続してみたいと思います。

冒頭でも書きましたが、長寿が予想される自分の将来で、健やかな時間で過ごせることは大きな関心事です。今回の記事によって、認知症と診断された時には、脳細胞死が進んでいるというデータには驚きました。なるのは仕方がないにしても、遅らせたり、新たな薬によって改善する期待はあります。
とはいえ、人頼みだけにせず、自分自身の意識も高めて、お互いに健康寿命を延ばしていきましょうね。
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