エール!! ~展示会で出会えた声28~

2023年4月第3週 愛知県で開催された『なごや ものづくりワールド2023』の産業展示会に行ってきました。2会場に分かれており、第1展示館では宇宙開発、ODM/EMS(※1)、機械要素、工場設備に関する新技術、サービス、提案が紹介されていました。第3展示館も合わせると約500社の出展があり、中部最大の見本市となっています。AI、自動化、効率というワードが飛び交う中、見えてくる課題は人材不足。即戦力につながる誰でもすぐに習得できる分かりやすい操作、対象が女性や高齢者に向けてという点でもこれまでにない要望が見て取れました。新技術・サービスが成しえる今後に熱い思いで挑戦されようとしている方々や、それでもどうしても苦労してしまうことなど様々な声を聴くことが出来ました。共感される言葉も見つけられるのではないでしょうか。

※1
ODM:Original Design Manufacturing の略。委託企業のブランドを、設計・製造も含めて受託すること。
EMS:Electronics Manufacturing Services の略。生産工程などを主体的に請け負うサービスを提供すること。
ちなみに
OEM :Original Equipment Manufacturing の略。開発・設計は委託企業が行い、生産のみを受託すること。

ビジネスパーソンのメンタルヘルスをホットラインでサポートしている「アライエール」のmasudaです。
産業展示会に出向いて、出展社の方から業界のトレンドや情報などを教えて頂いています。
お話を通して漏れ出た苦労や夢、想いなどもお聴きするので、応援や労いの言葉をお返しする活動をしています。頂いたコメントなどを「エール!!」という表題でブログにて紹介しています。

お話を伺った方の声

S社 O様
製造業の問題解決への手立てとして情報やセミナー開催で貢献する事業を展開しています。今回は35000人以上の会員数をもつ技術者向けセミナー検索サービスをご紹介しています。製造業に特化しているので、問題解決の窓口として即効性がありますし、見やすさや利用のしやすさに力を入れています。さらに進化を図るべく近日 新リリースもご案内できますまで、より活用しやすいサービスに成長できると考えています。あらゆる専門分野のアドバイザーが登録しており、今に対応できる強みがありますよ。少人数での運営ですが、日々ものづくりのお悩みのために頑張っているって感じですかね。

A社 T様 M様
今回デモンストレーションでご紹介させてもらっているのが、高速ピッキングの機械です。例えば、モノが完成して箱詰めする時、製品が細かいと裏表が混在したまま流れてくることがあります。向きをそろえなければなりませんが、従来だとそのためのプラグラムや工程が必要になるんです。我が社は負担がかからない振動で製品そのものをひっくり返す。向きが直ったものだけを拾い上げて繰り返すアイデアで 余分な工程を省くことに成功しました。「こうしたい」工程は、つい追加、増やすアイデアを生みがちですが、従来の考えから離れいったんリセットすると、思わぬ近道が見つかったりするんです。新たな良いものを積極的にという決断ができる会社だと思っています。

U社 H様
製造ラインの製品を作る工程で組付けたとき、トルクはすべて計測しているんです。もちろん組付けるときの荷重は決まっていますし、制御も順守されています。それでも仕様が満足できているかのチェック機能は欠かせないんです。その最終チェックを任される機械ですから、非常に高性能にできているとご紹介できる製品です。何ができるかは大切ですが、何を求められているかを理解、把握することで、お客様の本当の満足に届くような気がしていますね。東海圏の自動車、航空という安全を担う産業の厳しさを理解すれば、経験則も追加されてお客様からの声がなくともこれが必要といえますよ。

C社 O様
産廃として破棄しなければならないトップとして「水(分)」があります。ものづくりの現場だけでないことは誰もが知るところです。汚れた水(分)をどう処理、活かすか重要なんです。我が社の製品は、アルカリ性を帯びてしまった水(分)を、強力なろ過によって水相当の値にまで処理することが可能な機械です。もともと業務用印刷から始まった企業で、使用水は破棄するという問題を抱えていました。事業の拡大といえば格好が良いですが、身近な問題や課題を放置しないで解決するんだという機運になったとき、すべきことや必要な技術が見えてくるんですね。結果、産廃を減らす。再利用が出来る。と喜ばれる機械が出来たと思っていますよ。

T社 A様
描けるディスプレイのご紹介です。いくつか業界をまたいで展示会に出展させていただいてます。この製品の活用法をブースを訪れてくださった方と作り上げている感がありますね。製品の紹介をきっかけに何気ない会話へ発展。あるいは全く関係ない話題で盛り上がることもあります。そこに小さな気づきやひらめきが隠れていたりするので、商品のことだけで終始するのはもったいない気がしたりします。今の世情やその人の考えなどを聴いたりしていると、未来のアイデアやヒントが生まれたりすることがあるんです。

S社 I様
ロゴは変わりましたが、創業して50年以上。理化学研究機器・クリーンルームなどを作って売る会社です。作る会社なので、オーダーメードにて対応するというのが一番の特徴になるかもしれませんね。本当に欲しい機能を欲しいサイズでご提供します。理化学など研究に使用する設備品なので、既製品で間に合わせるということのほうが難しいと考えています。様々な用途がありますから、とにかくよく話し合うを心がけています。製品を作るという技術はもしかしたら他の企業様と差はないかもしれない。でも何で差が出来るのか。本当に相手の立場に立っているかどうかではいなでしょうか。おかげさまでクレームはありません。そこが嬉しい反応になりますね。

T社 T様
病床で使用しているベッド。名を出せばパラマウントベッドですが、のキャスターを作っているドイツの会社です。日本での販売を担っています。今回ご紹介しているキャスターはアシスト機能を持つ電動キャスターなんです。これはさっき話した病床で使用するベッドを動かす看護師さんの要望から生まれた我々日本サイドの発想製品なんですよ。病院では患者さんが乗った状態で移動することは当たり前。その時にスムーズに動いてしっかり止まる機能を果たすのがキャスター。この肝の部分が扱いづらかったらどれだけ負担が増えるか。それは病院に限らずですよね。今の製造業界は、これまで成人男性が担ってきた場所でも高齢者や女性の労働が余儀なくされています。AGV化(自動搬送)も主流になりつつあるでしょう。そういった未来の動向に企業は素早くキャッチして しかも早く製品として世に出す役目があります。先のキャスターも発想から商品化まで1年位です。企業が果たす役目はさらに大きく広く深くなっていくと思いますね。

T社 H様
工場内の冷却のご提案をしています。これからの季節を迎えて、暑さ対策は必要ですから、今よりさらに気軽に安価で冷却できるシステムをご紹介しています。ミストの粒子をこれまで以上に細かくすることでミストなのに濡れない。最近公園やイベントなどでも見かけるようになったと思いますが、工場に設置することが出来るというものです。コンプレッサーの機能を流用します。従来の冷却方法だと工場全体とか、かなり大がかなりな装置を購入しなければなりませんが、ノズル部分という製品なので、コンプレッサーのある所なら、設置できますし、長さも調節できます。設備投資も厳しい昨今ですからね、良いものだからといっても高価だったり、導入にちゅうちょするような規模のものは敬遠されます。それを見越してコンパクトなサイズを考案したんです。

N社 K様
デモンストレーションでお見せしているんですが、水分と混ざった状態の油を油分だけ吸い取るシートのご案内です。隣は、油だけに特化した吸油シートです。ミスや事故は起こしてはなりませんが、それでも起こった場合適切に処置することが出来れば、被害は最小限に済みます。事故の想定だけではありませんが、清掃、維持にも活用できます。日頃の備え、安全な状態を維持するサポート製品を作り販売しています。工場は常に過酷な状態にさらされています。困りごとがあって当然なんです。安全安心の場を作ることにわずらわしさを感じさせない。そんなサポートを心がけて声をかけるようにしています。私自身この仕事は3年目に入りましたが、本当に奥が深くてまだまだなんです。お客様の困りごとにスパッと解決できるように勉強中ですが、楽しいですよ。

H社 M様
ハゼ式(折り板屋根)など金属折板仕様の工場屋根に設置する遮熱シートをご紹介しています。シートなので軽くて低コストで済みますし、設置にも時間がかかりません。簡単な仕組みに見えても表面温度の上昇を抑えること(実績表面温度差-20度)が出来る優れものです。小さな工場とか古い施設、急ごしらえの設備など屋根にコストをかけられない場合もあります。そんな時に後付けでしっかり対策に効果を示してくれれば嬉しいですよね。夏場だけでなく、冬の結露にも強いんです。電気代がこれだけ節約できるなど、しっかり結果が伴う。これがないと今は売れないんです。

H社 I様
今回ご紹介しているのは、日本での専売権を持っているイタリアの運搬器具です。人が動かせる運搬機ですが最大の特徴が、階段での運搬が可能、昇降時に荷物を水平に保つということ。さらに最新は不安定な場所でも人が支えていなくても良いという自立に特化してなおかつ操作が簡単という優れもの。小回りも効くし、何よりコンパクト。日本の製品も優れていると思いますが、世界に目を向ければ洗練されたデザイン性ではヨーロッパは強いですね。興味を持っていただけるフォルムというのは、お客様の目を引き、強い吸引力を持つので大きな宣伝にもなります。世界の製品に触れることのできる今の仕事は刺激があって楽しいです。

masuda

名刺交換が叶わない企業様、担当者様もいらっしゃいました。
一部、企業様イニシャルにて、コメントを載せたいと思います。

T社様 
東京都大田区で合同会社を作りました。町全体を一つの企業とみなし、各製作所は分業の各部署という位置づけを持っていただくとイメージがつきやすいでしょうか。孤立するのではく、協働共存することでビジネスチャンスを獲得するという考えも提案しています。地域そのものが技術者集団として機能することで、お客様、現場、街そのものが共に生きていける。これからの産業の在り方を提案していけると考えています。これまでのことをどう未来に活かすか、システムとして発展させ結果を出す時代になってきたということですね。

R社様 
製造機器の潤滑油を扱っています。ただの潤滑油ではなく、「超潤滑油」です。滑らかな動きのためだけではない油膜です。もともと金損表面がもっている凹凸に、接触すると熱がおびて表面が改質するという潤滑油なんです。表面の凹凸が解消されますから、油膜の寿命も延び、金属同士の摩耗が起きにくくなり結果、金属疲労の軽減、寿命、騒音にまで貢献できるというものなんです。さらっと説明すると簡単に聞こえますが、大変な技術ですよ。結果がすべてですから、どこが苦労とかお客様には言えませんが、「すごいなぁ」とか言われると心の中は「上がり」ますよね(笑)

S社様 
計測器などでよく見かけると思いますが、先端のクリップを企画製造販売している会社です。特許もとった新製品がこれです。クリップ部分をアタッチメントの要領で付け替えることが出来ます。つまり、一本のコードで、先端を変えることで様々な用途に変更できるというものなんです。”かます”強度もバリエーションも豊富。ありそうでなかったものなんです。物を作る。形にする。そのための道具や機械があります。出来上がるものを想像しながら効率よく組み立てるだけのモノ。でもそれがないと目的のものは出来ない。そして、それらを支えるものがある。どこが、何が一番大事なんでしょうね。

N市場様 
今の内職をご存じですか?シール張りやミシンでの縫製、袋詰め、小型製品を箱詰めするなどのイメージが強いのではないでしょうか。今は販売店のアルバイトがしていた裏方の作業や、農業の種苗関連、商品の加工から委託先への納品まで、資材の調達やピッキング、保管から発送まで請け負うバリエーション豊かな産業に成長しています。機械では細かすぎたり、人では山積みになる軽作業など、すき間時間ではこなせない作業が実際の仕事には多く存在します。それらを総ざらいして他に注力してほしいというサービス業なんです。裏方というより協働ですね。働き方の改革モデルといっても良いかも。

A社様 
コンプレッサーのサブスクサービスを始めました。我が社の社長の肝いりなんです。今に敏感で、これと思ったことはまず試してみようという考えなんです。頭の中で考えるリスクと、実際に行動に移し、プラス誠意で対応した時とは違うこともある。何がどう転ぶかわからないけれど、やってみなければわからないまま。始めたことを良い方向に動かすにはどんな修正が必要なのかそれもやってみなければわからない。というわけなんです。社員といえど半信半疑のところは否めません。でも、やってみたいと思う気持ちも真実なんですよ。

K社様 
粉末の供給機を開発提供している企業です。こんなことが出来ますととご案内しているんですが。ご質問があったように、どんな用途があるのか‥実は作っている私たちもわからないというパターンが存在するんですよ。この粉末をどう使っているか、何の研究に使用しているか。コンプライアンスで言えないというわけではなく、本当にわからないことがあるんです。メンテナンスや、アフターサービスなどお客様の仕様に沿った維持管理を考えるのですが、肝心な部分は謎に包まれる。私も不思議なんです。もちろん上司は知っているはずなんですけれどね。

ものづくりには様々な機械が必要で、それらを動かす工程や設備が必要です。そのどれもに意識されているのが、「安全」です。たとえ自動で動くロボットでさえ、人が周りに立つことが想定されれば、必ず危険な範囲を示し、危険を予知し、回避するシステムがセットになります。どんなに便利で効率を求めコストを削っても、安全を抜きにした機械は存在しません。当たり前の前提過ぎて見過ごしがちになります。だから、展示会に行って興味がどんなに湧いても、やたらに近づいたり、触ったりすることはしないようにしています。不用意に距離を縮めたことでご迷惑をかけることは避けなければなりません。展示物や部品も許可なく触ることはしません。金属加工品などは表面仕上げが美しく、そこを見てもらいたいのに、触って指紋をつけるなんて失礼だとも考えるからです。展示会で出展されている企業様がどんな熱い思いでその場に立たれているか、紹介されているか感じ取れるから、その「作品」にも敬意を示したいと考えています。

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