エール!! ~展示会で出会えた声39~

2023年9月第5週 愛知県で開催された『緑十字展2023 』の展示会に行ってきました。中央労働災害防止協会が、安全衛生保護具や作業環境改善機器等の展示を通じて、職場における安全衛生水準の向上を促進し、労働災害のない、働く人の心身両面にわたって健康で快適な職場環境の形成に寄与するサービスや商品、技術やシステムを紹介していました。約120社が出展し、実際にマスクの装着やハーネスを装備できるデモンストレーションなどが行われていました。モノ作りは大小さまざまな工具や器機に囲まれ、安全が保障された仕事場ではありません。にもかかわらず、安全に作業する取り組みは、手間や時間がかかり、面倒な部分があるため、ヒヤリハットにつながりやすい側面があります。法律や規制も強化されていく中で、いかに作業効率の邪魔にならない安全を提供できるか知恵のもちよりどころ満載の会場となっていました。多くの方から、安全の提供に心を砕いている苦労話がきけたので紹介します。共感される言葉も見つけられるのではないでしょうか。

ビジネスパーソンのメンタルヘルスを、ホットラインでサポートしている「アライエール」のmasudaです。
産業展示会に出向いて、出展社の方から業界のトレンドや情報などを教えて頂いています。
お話を通して漏れ出た苦労や夢、想いなどもお聴きするので、応援や労いの言葉をお返しする活動をしています。頂いたコメントなどを「エール!!」という表題で紹介しています。

お話を伺った方の声

T社 O様
安全に関する研究成果をパネルで発表しています。今回成果として紹介したいのが、カメラ機能で人の動作をデータ分析して、作業姿勢が体に負荷をかけていないか分析するというシステムを開発し、実際に現場で活用され改善されている事例です。特徴は、人の頭を丸、四肢はラインで認識させ、作業中の姿勢を角度として可視化することができた点です。実際に負荷がかかった角度をあらかじめデータとして入力しておき、対象となる人物をカメラで観察して、負荷のかかる角度になっていたら、作業工程を改善させる。といった具合です。立ち作業を座り作業に変更したことで負荷も減り、効率も良くなった自慢の成果です。もともと研究するのが好きでした。一つの数値からは見えなくても、集積されたデータとしたとき、傾向や変化が見えます。イレギュラーや理由を発見した時の喜びとは大きいですね。

M社 M様
今回の出展の目玉は、訪れた方にVRによる安全教育を体験していただくことです。様々な場面を用意して希望のシチュエーションでVR経験いただき、ご自身のとった行動が評価されるまでがセットとなっています。(masudaも実際にゴーグルをつけて体験しました。視覚に訴えるリアルな体験ができて、緊迫感をもって学習することができました。)伝達や、マニュアルも大切ですが、実際に体験することほど大事なことはありません。それは経験になるからです。経験を積んでいただきたい思いで、わが社の企画力とシステム構築を駆使して新しいサービスを提供しようというのが狙いです。私自身、安全に携わるかに所属していて、KYTもさんざん企画してきました。だからこそ、分かったことがあります。何度も繰り返し教育することも大事ですが、経験というインパクトは強いですよ。特にわが社の体験型は、数名同時に体験することで、コミュニケーションを使った理解も深めることができるので、副次的に多くの体験ができる効果もあるんですよ。

T社 F様
ヘルメットに装着させるwebカメラを紹介しています。遠隔地の現場を作業者目線でリアルタイムに会議等に参加させることができるというアイテムになります。作業者の視線ですから、録画をとれば新人教育にマニュアル動画にもなりますね。大きな利点は、小型カメラの画面は無線で飛ばせるので、作業者の動きを邪魔しません。受信側から指示もできますし、総合的な機動力を発揮することが可能となります。私は新規事業部に属しています。ヘルメットのトップメーカーとして、人の命を守るヘルメットの、保護するだけではない可能性にさらなる未来を見出そうと思っているんですよ。

masuda

名刺交換が叶わない企業様、担当者様もいらっしゃいました。
一部、企業様イニシャルにて、コメントを載せたいと思います。

S社様
安全靴を企画製造販売している会社です。毎年、展示会に出展していて、ここ最近は皆さんにアンケートをいただくようにしているんです。取引先以外の方の声を聴く機会でもありますし、アンケートを機に困りごとなどを直接伺えるのが利点です。最近は、女性作業員も増えてきて、おしゃれに見えることも大きな変化の一つかもしれません。「安全」はどうしても重装備になるので、軽くコンパクトにしたいご意見が多いですね。たった一つの声が次のトレンドを生むこともあるんです。ほかの業種の方と触れ合える展示会は発見が多いです。

F社様
安全帯、高所で使用する作業ベルトを作っている会社です。2024年4月から、厚生労働省の通達で化学物質における呼吸用保護具の適切な管理・選択の義務が課せられるようになります。対応するために、開発・提供する側の進化への要望が高くなりました。安全になることは喜ばしいことです。ただ、重装備になることで装着への心理的負担が高くなることも確かなんです。安全と装着が両立するため。この業界の両輪で皆さん駆使されているところではないでしょうか。だからこそ、アイディア合戦!力が入るところではありますね。

D社様
面白いでしょ。一見、高枝切狭のように見えますが、先端に装着させているのは缶スプレーなんです。わが社は市販されている小型の缶スプレーを扱う業者向けに手軽に作業がこなせる「細かな発明」を提供している会社なんですよ。安全を提供する会社は皆さんが知っている会社なんてほんの一部。ほとんどが中小企業で、お客様も中小企業様。扱っている工具も、実際は家庭用を工夫してカスタマイズしたりしているものが多いんです。持ちつ持たれつという関係性で成り立つ要望もあるんですよ。ただ、そういうところこそ、大事に対応しています。わが社の生き残ることは、お客様を支えることでもあるんですよ。

L社様
[危険を知らせる動画がシュールすぎて思わず足を止めました]ご興味持ちました?してやったりなんです。この画風が(笑)。わが社の社員のイラストアニメなんです。一昔前だったらおふざけみたいに受け入れられなかったかもしれないのですが、今は、受け皿の懐も深くなりましたし、注目されるインパクトが逆に差別化につながっているんですよ。内容は根拠に基づき、吟味されて作っているので、提供する自信はあります。思わず足を止める。こういう印象が、「残る」につながっていくと考えています。

M社様
「安全表示」のテープを自社で作っていただけるラベルプリンターを提供しています。安全を掲示する場所や箇所って、貼る場所や喚起する箇所によってさまざまな形や文字を変えなければなりません。業者に頼めば大量発注が必要になりますし、手作業も負担になっとり統一性が保てません。KYTなどの見直しがあれば、一気に指摘箇所が増えたりしますからね。作業時間に換算されにくいこういう微妙な作業が地味に積もり積もるんです。でも、周知させるのに視界の情報は大事ですからおろそかにできないと皆さんおっしゃるので、重宝されています。わが社主催でコンテストなどを開催していますが、毎回多くの作品が寄せられて、プリンターを提供しているわが社でさえ、これどうやって作ったの?ってわからない凝ったものがあってすごいセンスの持ち主いらっしゃるなって、毎回感心させられるんですよ。

A社様
わが社も安全を扱う会社です。仕組みや活用などコンサル的なサービスを提供している一方で、大学教授と提携し、ウェルビーイング(※)に力を注いでいます。これまでの安全は、マイナスを0にする考えでしたが、もっと積極的にとらえ、0からプラスにすることで、作業や仕事・業務そのものへの価値を見出し、前向きなやりがい生きがいにつなげて、生産性を向上・優秀人材を確保していこうとする考えをご紹介しています。作業と心理的作用は密接であることは最近知られるようになりました。「知る」から「取り組む」時代になっているといえると思います。

※ウェルビーイング(Well-being):Well(よい)とBeing(状態)の組み合わせ。心身ともに満たされた状態を表す概念。

A社様
安全体感研修センターも運営しています。気づきましたか?「体験」ではなく、「体感」なんです。経験として記憶になるのではなく、体に異常を察知させて訓練する実地訓練ができるんですよ。以前は、教室で座って資料を読む。良くて動画を見るだけだった教育。まぁ、今も多いんですけどね。わが社は、それではだめだと思って体感できる装置の開発製造まで踏み込んで取り組んでいるんです。皆ケガなどしたくないですよ。でもしちゃう。頭でわかっていても、「そういう行動」が瞬間できなかったりする。回避するには、体で覚えるのが一番ですね。自然に動いてしまう感じ?熟練した運転者は、とっさに動くことができる。頭でわかったは、案外頼りないものなんですよ。

一般社団法人様
マスクのフィットテストってわかります?文字通り、正しく装着できているかをチッェクするテストです。2024年から管理監督者に課せられる義務で、正しく装着できているかまでを指導する必要があるわけです。単なるマスクではなく、有害物質から守るマスクはそれなりに、装着する手順と位置があります。これを守らないと、どんなに良い道具を身に着けていても、その作業は安全にこなしているとは言えないんです。息苦しかったり、道具が煩わしく感じたりするのは、実は正しく装着できていないことがあります。サイズが合っていないなんて論外です。自分には起こらないと思いたいですが、そうじゃないスキを突くのが不安全行動なんですよね。一瞬ですよ。一瞬。

S社様
防護用具を扱って、国内で一番古い会社です。今回、マスクの展示が多いと思いますが、次回は耳栓が多くなると思いますよ。吸い込むという危険性に続いて、騒音もかなり体調を崩します。最近の機械はずいぶん静かな設計がなされていますが、瞬間的な作業やイレギュラーな作業はまだまだ対策が遅れています。体を張る仕事は、守らなければなりません。こういう仕事だからと思われるでしょうが、やはり健康に年齢を重ねるには、いかにダメージの少ない時間を過ごすかにかかっていると個人的には思うんです。

3社様
安全基準や、防護に関する法律が出来ていますが、海外からするとまだ「ゆるい」ほうですよ。作業には危険がつきものという日本の考え方みたいなものが、海外よりも遅れている要因じゃないかって思ってます。整備するのは簡単だし、言うのも簡単だけど、いざ実行する、徹底するというところが難しいんです。だからこそ、意識改革が急務なんですが、今は法律にお尻をひっぱたかれて、国がうるさくなっているから、やっとという状態なんじゃないかな。

人間の体の仕組みというのは、考えているよりも繊細で、たった数パーセントの空気が失われただけで簡単に意識がなくなるのだそうです。振動や音、身体にかかっている負担は侮ってはいけないということを改めて学べた気がします。ジブリの宮崎駿監督が作品作りを紹介する番組で、製作時間が限られている中、予定したよりも膨大に増える絵コンテや修正箇所に対し質問を向けられた時、「大事なことは面倒くさい」とぼそっと語られたことが印象に残っています。改善・効率を叫ばれる世の中で、確かにそのほうが正しいのかもしれないけれど、やっぱり「大事なことは省略してはいけない」と。個人的な価値観として影響を受けたことを思い出しました。

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