~心に染みる言葉集~も佳境に入ってきました。
最終章として『希望』を取上げたいと思います。
歴史上の人物が語った言葉を今回もたくさん紹介したいと思います。
違うテーマで他の言葉も紹介しています。こちらへ
旅をすることは多くの利益を生む。新鮮さを心に、素晴らしい事柄についての見聞、新しい都市を見る喜び、不知の友との出会い、高潔な作法の習慣である。
シーラーズのサアディー(※1)[1210-?1290?]
※1 サアディー:詩人の雅号と判明しているだけで、本名は判っていない
この時代はモンゴル帝国が拡大し、サアディーの人生にも影響がありました。勉学の延長で研鑽を兼ね、約30年各地を遊学した人生でした。故郷に戻って一気に完成させた詩編は、教訓・警句・逸話の内容を持ち、現在でもイラン文学史上の最高傑作といわれています。
「熱望」することはこの上もなく容易なのに、「志す」ことはなぜ、そんなに難しいのか。熱望のさい、口を利くのは弱さであり、志すさいは、強さだからである。
リントネル[?-?]
名言・格言で検索するといくつも出で来るのに、この「リントネル」という方。言葉の背景など紹介したいと思ったのですが、”オーストリアの教育者”以外情報がインターネット上に見つからず・・。
リントネルさんの他の名言:人間は何を知っているかではなく、何をしようと思っているかによって、
価値・無価値、能・不能、幸・不幸が決まる。
人間が、自分で自分の内から才能をつくらずに、これを他人から貰い受けることが出来ると考えるのは、無理な話であって、あたかも招かれた先で、医者とたびたび晩餐を共にするだけで、健康を養うことができると考えるようなものであろう。
マルセル・プルースト[1872-1922]
小説家として活躍する傍ら、社交界にも太鼓持ち立場で出入りしていたようです。交友関係も広く、様々な人間、才能、裏表を見てきたのでしょう。もっとも有名な「失われた時を求めて」は日本語訳で400字詰め原稿用紙10,000枚。「最も長い小説」としてギネスにも記録されています。
一個人がいかに富んでも、社会全体が貧乏であったら、その人の幸福は保証されない。その事業が個人を利するだけでなく、多数社会を利してゆくのでなければ、決して正しい商売とは言えない。
渋沢栄一[1840-1931]
2021年NHK大河ドラマでも記憶が新しい功績、肩書、勲章、影響は計り知れません。著書「論語と算盤」。倫理と算術は一瞬相いれないのではと思いますが、”一人は皆のため、皆は一人のため”。論語を熟知した彼ならではの視点に通づるのだと感じます。
人生の幸福とは何であるかを知ったら、お前は人の持っているものなど羨ましがる必要はない。
プルターク[46-119]
帝政ローマのギリシア人著述家と紹介されています。ではプルタークの言う「幸福」とは・・。残念ながら”幸福論”的なものは検索できませんでした。目に見えて数値化できないあやふやな存在成れど、求める先にあるものですね。何が幸福であるかを決める・感じるのは、人それぞれで正解と個人的には考えます。
重役の七割のプランは時すでに遅く、七割が反対するプランぐらいでやっと先手が取れる。
松下幸之助[1894-1989]
次に紹介する 鳥井信治郎さんを師と仰ぎ、幼少の苦労から「経営の神様」となった方。戦前、中、後を社長として生き抜かねばならず、海外へも手腕を発揮せねばならないのは並大抵の精神では務まらなかったでしょう。戒名は「光雲院釋眞幸」(※1)
※1 「光雲院釋眞幸」:『釋』は「釈」とも書きます。法名の上に「釈」をつけるのは、お釈迦様の弟子になるという意味です。
やってみなわからしまへんで、やってみなはれ
鳥井信治郎[1879-1962]
9歳の時、4年飛び越え高等科へ、丁稚奉公先の13歳で洋酒の知識を得たということです。20歳で現代も続くメーカーを立ち上げています。時は明治30年頃。欧米諸国を模範とした国内の近代化が進む時代で、日本を世界にという気概も強かったでしょう。これまでを打開するエネルギーがほとばしる言葉です。
参考『座右の銘 意義ある人生のために』里文出版 より
そのほかの言葉
人生とは何か ~心に染みる言葉集①~
人間とは 生きるとは ~心に染みる言葉集②~
自分は何者か ~心に染みる言葉集③~
逞しく生きる ~心に染みる言葉集④~
心のうちにあるもの ~心に染みる言葉集⑤~
愛のある人生 ~心に染みる言葉集⑥~
人と人の間に ~心に染みる言葉集⑦~
自ら道を歩む(1) ~心に染みる言葉集⑧~
自ら道を歩む(2) ~心に染みる言葉集⑨~
希望は「進む」行動を促しますが、内側に溜めこむ「熟成」の時ももっています。パンドラの箱に最後に残ったものも『希望』。
今の時代、肩ひじ張らず、そんなもの無くても良いという言葉も聞きます。それも一つの真理です。
一方で、泥にまみれても、もがいても、頑張っていきたいと考えてしまうのも、古臭いとは思いません。
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