「年齢」と つきあう ~発達心理学~

今、50代の私は40歳になることはありません。

これは生物学的な経過年齢で、「生まれてからの年数」という概念から正しいといえます。
さて、心理学には、「年数」以外にも年齢と呼ばれるものがあります。

今回は、持続的な活動に結びつくヒントになればと「年齢」を様々な角度でみつめてみます。

心理学でとりあげる「年齢」

生物学的な年齢

『産まれてから何年経ったか』という経過的な年齢。
現代医療では、個人差や、細胞・臓器の活動内容による違いなど消耗的な観点に基づいています。
このため、産まれてから何年経つとこうなる。と経過年数だけでは一様に判断できない個人差が生じています。

社会的な年齢

実際の社会活動の中で培った経験値を指します。
年代として重ねてきた考えや態度、勤続年数や経験年数に基づく身につけた社会的規範です。
一昔ふた昔前には望ましい”レール”のような「縦」の考えがありましたが、
現代ではネットワーク・人脈のように横へ広がるスキルも注目されています。

主観的な年齢

心【気持ち】の中で、自分が感じている個人的に感じる年齢。
周囲との比較で自ら意識している生き方にも通じる「感覚」。

masuda

心理学者のロバート・カステンバウム(※1)が行ったアンケートでは、ほとんどの人が自分は、実年齢(※2)より若いと感じているという結果が得られたそうです。

※1 ロバート・カステンバウム:臨床心理学の研究者。ホスピスに関わる。著書『死ぬ瞬間の心理』
※2 実年齢:『産まれてから何年経ったか』という経過的な年齢を指すと考えられます。

「若い」?

自分が生きてきた経過的年数と、人間関係の中で生きてきた社会的な経験値で、自分の年齢を相応に生きるように、あるいは生きています。

求められる年齢の期待とは裏腹に、主観的には『自分は年齢より若い』と思う人が多いのは(実際私もそうです。)興味深いですね。

年齢を重ねた者が、経験値として知る「若さ」に時間、体力、柔軟さ、可能性、美しさ逞しさイメージして経過するとを失ってしまうと捉えているからかもしれません。

『老』というイメージが、あたかも「失う世代」と歴史や、知識、伝承などで「すりこまれた」ことも要因でしょう。

老齢期

1950年代

心理学者のエリク・エリクソンは、人間の発達という観点でステージは8つあると表しました。
エリクソンの発達段階》。
①(生後)0〜17ヶ月を乳児期、②3歳までを幼児前期、③5歳までを幼児後期、④13歳までを学童期、⑤20歳までを成年期、⑥40歳までを成人期、⑦65歳までを壮年期。

最後の⑧は『老齢期』と呼ばれ、65歳~ 余生を活きる時期とされています。
例えば、1950年の日本人65歳の平均余命(※3)は、男女平均で12.25年(※4)です。

※3 平均余命:何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表したもの
※4 資料: 厚生労働省/平均余命の年次推移 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life09/sankou02.html

この理論から50年経って随分状況は変わってきました。

現代

現代の日本人の65歳の平均余命は、2009年のデータで男女平均21.4年(※4)です。

最終段階としての時間が20年、30年とある時代となったのです。

医療の発達や、生き方の変化で寿命も延びました。
また今後は70代でも現役で働くことを希望される方も増えるでしょう。

『衰退』して『待つ』時間などではなく、新たな可能性を見つける時期であるのです

持続的な活動

生物学的な年齢は『向上』できる

長く生きるのならやはり元気な方が良いですね。
また、アンチエイジングという言葉は外見だけではありません。
単に見栄えだけでなく、前向きな気持ちで過ごしているかは重要な要素のようです。

具体的には健康寿命を延ばすことです。以下の記事がお役に立てます。

健康寿命を延ばすには
・健康寿命を延ばす生活習慣 その1 その2 その3 その4
e-ヘルスネット

社会的な年齢は『環境移行』によって変化する

『アクティブシニア』という言葉が、これからの高齢者像を象徴しています。

一般的に、高齢者は加齢とともに、その身体機能や認知機能が低下するといわれていますが、身体機能や認知機能に若干の衰えがあったとしても、逆に向上する能力もあるとの指摘もあります。

認知能力については、その加齢による変化について、短期記憶能力は50歳を境に急激に衰える一方日常問題解決能力や言語能力は経験や知識の習得に伴ってむしろ向上するとの研究成果があり、身体機能についても、1992年時点での高齢者の歩行速度に比べて2002年の高齢者の歩行速度は速くなっており、男女とも11歳若返っているとの研究成果がある。

総務省 平成25年度版 白書より

具体的には、IT IoTの時代が来てこれまでと違う環境が想像されまれます。
また、多様化した趣味や、興味の対象が後押しして、全く違う世界に飛び込む可能性だってあります。

地域には、福祉やサポートなど年齢を重ねたからこそ必要とされる「場」が見つけられるはずです。

主観的な年齢は『得意を知る』によってさらに多様化する

これまで頑張ってきたからのんびりしたい。面倒なことは避けたい。新しいことを始めるにも資金が無いし。という正当性がある理由はたくさんあるでしょう。

前の項目にあったように多少体力的な衰えはあっても、頭の中は明朗で覚える余白はまだ沢山あるのです。

人生を振りかえってみた時、得意なことや好きなことは何かしらあったはず。実際にやってこなくても、興味だけで手を付けなかったことや、憧れてはいるけれど、自分には出来そうもない。

年齢を重ねても活躍されている方はたくさんいます。

ここ数カ月でびっくりした方を取上げた記事がこちら⇒写真を撮るという歓び
(英文なのでお使いのモバイルで日本語に訳してくださいね。)
彼女が通っているカメラ教室【遊美塾】は全国で7か所開催されています。
※私も個人的にすごく興味があります。
元の記事は、Highlighting JAPAN ~日本のハイライト~2022年3月10日

自分を好きになる時代

今の状態を活き続ける選択もある思いますが、多くの方はステージに変化が現れます。

年齢を重ねて、引退、卒業、手が離れる、第一線から退く。などの言いかたは寂しい気持ちにさせられます。

しかし、他者のために心を砕き、頑張ってきた場面が多かったかもしれない。自分を無理に奮い立たせたことや、我慢したこともあったはず。もちろん大きな喜びもあったと思います。

少し距離が出来たことは、寂しい時代になるのではなく、自分をセンターに持ってきて、思いきり自分を好きになっていい時代なんです。

他者へ向けていた視線を自分に向け、これまでよりもっと自分を自由にする。これまでよりももっと好きな自分になる。

自分を好きな自分は自分を大切にします。自分を大切にした自分は他者への愛情も増します。

補 足

人生における発達段階には、特徴的なステージとステージごとに乗り越える課題があるとして、《エリクソンの発達段階》という理論で発表されています。ステージの内容と課題について簡単に記します。

エリクソンの発達段階

乳児期(生後)[0〜17ヶ月]
親や周りの大人に愛情を受け、世話をされることで基本的な信頼を形成させる時期
課題:基本的な信頼感が築けるか

幼児前期[18ヶ月〜3歳]
自ら体験を繰り返すことで自我が芽生える時
課題:自立のヒントを構築

幼児後期[3〜5歳]
同世代の子供との関わりが増え、外の世界に興味を持つ時期
課題:自発・積極性・罪悪感を構築

学童期[5〜13歳]
習得による自身、能力の理解。個人差も発現
課題:理解と判断が培われる

青年期[13〜20歳]
自意識と客観的事実に葛藤が生じる
課題:アイデンティティーと混乱

成人期[20〜40歳]
自立の確立や信頼関係の構築
課題:親密度や孤立を受止める 親としての成長

壮年期[40〜65歳]
次の世代を支えていく積極性や関心
課題:停滞

老年期[65歳〜]
社会的地位、子育てからの卒業、老後の生活を始める
課題:喪失感 自己の統合

参考文献
『10代からの心理学図鑑』マーカス・ウィークス 著 渡辺滋人 訳 三省堂

自分を好きになる。自分の活き方や考え方を肯定することは、あらゆる場面で影響を与えます。人と接する時はもちろん、嘘をつかなくて良いし、自分をごまかすことがなくなるので苦しい思いをしなくて済みます。悩む時も自分に言い訳をしなくて済みます。甘やかしたり、目を背けるのではなく、正直に自分を受止める。他者に気を配るのと同じように自分との付き合い方も丁寧にありたいものです。

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